(プロジェクト管理)要求の取りこぼしは信用問題

 システムの新規開発では、利用者などステークホルダーからの要求のヒアリングを実施します。ヒアリングは、会議形式であったり、QA表でのやりとりが主戦場とも言えますが、メールや口頭でのヒアリングや質疑対応も多くあります。このメールや口頭の場では、本音であったり、本当にやってほしいこと、細かい仕様など重要な内容がでてきます。
 ヒアリングの主戦場(会議やQA表)では、ドキュメント(議事録やQA表ファイル)が形として残りますが、メールや口頭では公式なドキュメントを残すというルールがない場合が多いです。つまり、メールや口頭での仕様の取りこぼしが発生する可能性が非常に高いです。

 上記のメールや口頭であっても、ユーザー(利用者やステークホルダー)にとっては、”要望を伝えた”という気持ちになっていますので、取りこぼしてしまうと
・ちゃんと行ったことをやって貰えない
・要望を伝えたことは意味が無い
というように、ユーザー側の心情としては、開発側が信用できないという事になってしまいます。これを繰り返していくと、ユーザーから要求や本音を聞き出すことができなくなってしまいます

 この状況になってしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます。ですので、要求の取りこぼしをなくす対策は、プロジェクト管理において重要な取り組みとなります。
 以下の様な取り組みを行ってはいかがでしょうか?
①やり取りしたことをドキュメントに残す(私は、やり取りした内容をEXCELファイルやスプレッドシートにまとめて記載して保存する)
②ユーザーとファイルの共有をする。ユーザー・開発で相互に閲覧できる
③開発側で保存した内容を何度も確認し、課題や仕様化させる(仕様にエスカレーションする)
④仕様にエスカレーションされたら、書き残した部分を対応完了とする(背景をグレーにするなど)

となります。
ユーザーからの信用を落とす前に、しっかり取り組んでいきましょう。

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